フリーランスで働くことのメリット・デメリットを知る

フリーランスで働くことのメリット・デメリットは?
仕事もプライベートも充実した生活を手に入れるための手段として、フリーランスのコンサルタントとして働くことを考えている方でも、具体的なメリット・デメリットのイメージが湧かず、二の足を踏み実際の行動に移せていない方は多くいるのではないでしょうか。
ここでは、具体的なメリット・デメリットを見ていきましょう。
- 1.メリット
- 収入アップ
- あらゆる自由の獲得
- 2.デメリット
- 全てが自分事
- 不安定で孤独
01メリット

a.収入アップ
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まずフリーランスとして働くことの最大のメリットとしては、収入アップが見込めるということが挙げられるのではないでしょうか。
総合系やIT系のコンサルティングファームのおおよその年収レンジは、シニアマネージャクラスで1200万~1500万程度、マネージャクラスで900万~1300万程度、シニアコンサルタントクラスで700万~900万程度と言われています。
例えば、シニアコンサルタントで800万円程度の年収を得ていた方が、フリーランスとして独立したことにより、年収1200万円を実現できていたりしますので、コンサルティングファームでの経験を存分に活かせる仕事をフリーランスとして獲得していくことができさえすれば、収入アップが実現できる確率は非常に高いです。
b.あらゆる自由の獲得
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1点目にあげた収入アップも大きなメリットではありますが、「あらゆる自由を獲得できる」というメリットの方が、実際にフリーランスとしてご活躍されている方々の声から、一番よく聞くメリットかもしれません。
では、具体的にどのような「自由」が手に入るのでしょうか。
i.仕事を選ぶ自由
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何といっても仕事自体を受ける・受けないの決断を自身ができる、という点が一番大きな自由と言えるのではないでしょうか。
会社員として働く場合は、会社の方針に従って自身の意に反したり、キャリアの足しにならない仕事も受けざるを得ないこともあるでしょう。
もしくは、自身のスキル・経験からはとても担い切れない役割を「代わり(身代わり)がいない」だけの理由で長く任され、プライベートの犠牲の上に成り立つストレスフルな生活が続くこともあるでしょう。
フリーランスのコンサルタントであれば、仕事を頂けるコンサルタントであることが大前提ではありますが、自身の得意分野・興味対象に特化して、自身の強み活かせる案件・自身が更に成長できる案件かどうかという観点で、案件を取捨選択することが可能です。
また、案件において担う役割・ロールが自身のスキルセットとミスマッチしていないか(過度に期待されすぎないか)、担う役割・ロールに対して報酬が妥当なものか、という観点でも、案件を取捨選択することもできますので、そういった意味でも仕事に追われ続けるストレスフルな状況を回避しやすい、ということも言えるかと思います。
ii.精神的な自由
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仕事を選ぶ自由の副次的なものと言えるかもしれませんが、フリーランスは自身で「全うできる(であろう)役割の仕事」を選ぶことができます。
責任さえ全うできていれば、仕事に追われ続けるといたストレスに押しつぶされることもないでしょう。
また、ビジネスパーソンとして一番の精神的な負担は、良好な人間関係を維持し続けることと良く言われますが、フリーランスの場合、会社員と違い上司・同僚・部下との関係性・しがらみによるストレスもありません。
フリーランスとして生きていくために、最低限必要な関係構築力を身につけ適切な人間関係を維持できてさえいれば、無用なストレスから解放された生活が手にできることでしょう。
iii.年齢的な自由
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自身のスキル次第では年齢に捉われず何歳まででも働くこともできますし、定年再雇用に伴う年収大幅ダウンなんてこともなく、役割に応じた適切な報酬を得ることができます。
なお、フリーランスには、一般的な会社員にはある退職金がないといった不安もあるかと思いますが、その点については、節税対策の1つにもなる小規模企業共済に加入しておくことで、退職金代わりの積み立てをしておくことが可能です。
iv.副業の自由
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最近では副業を認める企業が増えてきてはいるものの、まだまだ禁止されている企業が多いです。
フリーランスの場合は、当然ながらそのような制限がなく自由に副業ができます。単純に収入を増やすための副業もいいですし、フリーランスとして安定的な収入を維持しつつ、将来的に本業にすること(起業)を目指して副業にチャレンジしてみるということまで、全て自由にできます。
02デメリット

a.全てが自分事
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当然ではありますが、フリーランスのコンサルタントは自分自身が商品(売上の源泉)となります。
また自分自身(商品)を売り込むのも(営業部門も)自分自身ですし、売上・経費・税金等を管理するのも(経理部門も)自分自身です。
i.責任は全て自分で負う
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会社員であれば、仕事で何かトラブルが発生した場合であっても、守ってくれる上司や会社の存在がありますが、フリーランスの場合、全ての責任が直結して自身に降りかかってきます。
フリーランスのメリットとして仕事を選べる自由があることをお伝えしましたが、逆に選んだ仕事は、何があってもやり遂げる強い意志と責任感が非常に重要となってきます。
自分自身が商品であるフリーランスは、1つ1つの仕事での成果・出来栄えが、自分自身の商品価値として直結してきますので、そういった意味でも、受けた仕事は全力で全うし、期待を裏切らないことが大事となります。
ii.商品価値が下がったら売れない
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自分自身の商品価値を下がってしまえば当然ながら売れなくなってしまいます。そのためにも商品価値を維持・向上するための努力は絶えず必要となってきます。
企業に属するコンサルタントであれば、未知の領域・分野へのチャレンジや、会社のお金を使って新たなスキルを身につけるといった、自身の成長を続けることがやりやすい環境にあるかと思います。
一方、フリーランスの場合、発注元がわざわざ成長することを期待してチャレンジングなポジションを任せてくれることは、基本的にありませんので、自分自身の商品価値を維持・向上するために、世間のトレンドを見極めたうえで、自身の知識・スキルをアップデート・ブラッシュアップしていくことが非常に重要になってきます。
iii.営業マンも自分でやる
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企業に属するコンサルタントも自分自身を買ってもらうための営業スキルは必要ですが、フリーランスのコンサルタントの場合、よりその重要度が増してきます。
自分自身が営業マンとなって案件を取ってこれるように、営業スキルを身につけていくこと、人的ネットワークを拡げるために日頃から意識して人との交流を持つことが重要です。
ただ、最大の営業行為は案件ごとで高いパフォーマンスを発揮することです。それがリピートでの契約に繋がったり、別案件の紹介に繋がっていくものです。
また、案件サーチのように、エージェントを使って営業行為を代行してもらうことも可能ですので、「営業マン」という言葉にあまり身構えすぎる必要はありません。
iv.経理等の事務作業も自分でやる
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会社員であれば、会社が勝手に源泉徴収・年末調整をしてくれ納税や社会保険料の納付も全てやってくれますが、フリーランスの場合は当然ながら経理などの事務作業にも時間を割く必要があります。
特に、税金・年金・保険などは求められる知識も少なくないです。会社員には、国が勝手に”忖度”して予め決まった額を必要経費的な位置づけで所得控除してくれる「給与所得控除」といった仕組みがありますが、フリーランスには「給与所得控除」がなかったりします。
そういった点も踏まえて、適切な節税対策等を行っておかないと、税金が沢山取られてしまい、それこそ折角リスクを取って独立したのに、手元に残る資金は独立前とあまり変わらなかった・・・なんてオチにもなりかねません。
b.不安定で孤独
i.収入の不安定さ
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フリーランスは仕事を選べる自由もある反面、依頼を受け続けられることが大前提となってきます。
会社員にはある会社から一定守られているという安心感に対して、「この先、安定して仕事を受け続けられるだろうか」「病気や怪我で働けなくなったら即座に収入が途絶えてしまう」といった不安感は、フリーランスであれば誰でももっているものです。
この点については、自身がフリーランスのコンサルタントとしての魅力を持ち続けていくことで、安定的に仕事を得られるようにしていくこと、健康管理には会社員時代よりも気を配り、定期健診など怠らないようにすること、といった地道な対策を取るのが一番ですが、フリーランス向けに案件を紹介してくれるエージェントを最大限活用頂くことで、案件受注の確率をあげていくことも一つの手ではないかと思います。
ii.孤独感に負けそうになる
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会社組織のしがらみ・組織活動への参加・社内政治といったことから解放されることがフリーランスとしての1つの魅力である一方で、当然ながらその反面として孤独を感じることは多くあるようです。
個人商店であるフリーランスは、企業に属するコンサルタントやエンジニアと違い、案件を離れて戻る組織もありませんし、案件によっては知り合いが一人もいないこともあり、顧客との打合せ等の必要最低限の場以外で、話す機会がなかったりすることもままあり、孤独感を感じることも多いようです。
フリーランス同士の交流の場に出向く、必要に応じてコワーキングスペースを借りるなどして異業種のスタートアップの方々と交流を持つ等して、同じ境遇のフリーランスやスタートアップでチャレンジしている方々から刺激をもらい、孤独感に負けないようにしていく工夫が必要かもしれません。
こちらのデメリットは、フリーランスをご検討中の皆さんが一番心配な部分なのではないでしょうか。